Case解決事例

夫からの精神的DV(モラハラ)が原因で生まれて間もない子を連れて別居した女性(30代)。婚姻費用の調停を申し立てたところ、相手方が就労制限や転職をし「意図的な減収」で激しく抵抗するも、諦めずに高等裁判所まで闘い抜き、別居前の収入基準で十分な生活費(婚姻費用)を獲得することができたケース

ケース内容

依頼者 女性30代

相手方 男性40代

女性は、夫からの度重なる精神的DV(モラハラ)に耐えかね、幼い子を連れ別居することを決断しましたが、別居後、母子の生活費を受け取るため、当初はご自身で「婚姻費用(生活費)分担調停」を申し立てていました。

ところが、相手方から身勝手な主張書面や、論点をすり替える大量の書類が次々と提出され、調停が始まって1年以上が経過しても一向に話し合いがまとまらず、手続きは「審判(裁判官が判断を下す手続き)」へと移行しました。

「もうこれ以上、自分一人では戦えない......」

「まともに生活費ももらえず、この先子どもとどう生きていけばいいのかわからない」

女性は精神的にも体力的にも限界を迎え、疲れ果て困り果てた状態で、当事務所に相談に来られました。

弁護士が関与して解決するまでの道のり

1. 正確な収入額を把握するための調査

弁護士はご依頼者様の代理人に就任した後、速やかに審判手続きへの対応を開始しました。相手方は、収入資料を開示することを頑なに拒み、そればかりか調停中に「給与が下がった」と主張し、それを裏付ける証拠を提出し、婚姻費用の金額を抑えようと激しく抵抗してきました。

そこで、過去の正確な収入推移を明らかにするため、自治体に対する「調査嘱託(公的な照会手続き)」を申し立て、相手方の実際の収入実態を明らかにしました。

2. 家庭裁判所の不当な決定、高等裁判所への即時抗告を即決

しかし、家庭裁判所(原審)が下した審判は、相手方の「現在の(減額された)給与」を基準とする不当な内容でありまし。

ご依頼者様は家庭裁判所の結果を受け入れざるを得ないと考えておられましたが、弁護士において文献および判例を調査したうえ、本件決定が不当な内容であること、高裁で覆る可能性が高いことを説明し、高等裁判所へ即時抗告することを決めました。

3. 高等裁判所での逆転勝利

高等裁判所では、家裁での結果を覆すため、相手方のこれまでの就労状況や転職の経緯、提出された膨大な資料をあらためて整理して主張し、家庭裁判所(原審)の決定について、どの点に問題があるのかを説得的に論じるよう腐心しました。

つまり「相手方の減収は意図的なものであり、潜在的な稼働能力(別居前の収入を得る能力)を基準に婚姻費用を算定すべきである」という主張を、緻密な証拠とともに粘り強く立証し続けました。

その結果、高等裁判所はご依頼者様の主張を全面的に認め、「別居前の高い収入」を基準とした、十分な婚姻費用の支払いを命じる決定を得ることができました。その結果、過去に遡った未払い分を含めると極めて大きな成果となりました。

本ケースのポイント

  • 専門知識によるスピーディーな証拠収集

相手方が収入の開示を拒む中、弁護士が速やかに「調査嘱託」などの専門的な法的手続きを取り、言い逃れのできない公的資料をスピーディーに確保できたことが大きな一歩となりました。

  • 「意図的な減収」を許さない執念の資料精査

相手方の身勝手な主張に対し、相手方の職歴や不自然な減収のタイミングを細かく分析。裁判所に「支払いを免れるための不当な行動である」と認めさせるための緻密な立証活動を徹底して行いました。

  • ご依頼者様に寄り添い、最後まで諦めない姿勢

本ケースは原審の判断が出た段階で、「裁判所の判断だから」と諦めてしまうこともありえたケースでしたが、弁護士とご依頼者様との間に信頼関係があったからこそ、互いに高裁で決定が覆る可能性を信じ、最後まで共に走り抜くことができました。

弁護士からのメッセージ

モラハラに苦しみながら、幼いお子様を連れての別居後の生活は、不安で押しつぶされそうな毎日であったと思います。さらに、裁判所でも話し合いができず、相手方からの不条理な主張や生活費の出し渋りに遭うと、「もう諦めるしかないのか」と絶望してしまうのも無理はありません。
法的な手続きは複雑で精神的なエネルギーを大きく消耗します。しかし、あなたが妥協する必要はありません。あなたとお子さんが、穏やかで安心した未来を踏み出すための権利を手放してはいけません。
「相手が強硬で話し合いにならない」「生活費を払ってくれない」とお悩みの方は、どうか一人で抱え込まず、まずは弁護士にご相談ください。あなたの味方となります。最後まであきらめずに、一緒に闘いましょう。

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