長年別居をしている夫との離婚を希望した妻(女性70代以上)。話し合いが難航したが協議離婚が成立したケース。【離婚、年金分割、公正証書作成】
ケース内容
依頼者 女性70代~
相手方 男性70代~
妻は、長年別居(夫は遠方に居住)をしている夫との離婚を希望。
離婚にあたっては、年金分割のみを希望するが、すでに相手方も年金を受給し始めこれが生活の糧となっているケースのため、大きな抵抗が予想されたケースでした。
話合いでは解決ができず、弁護士の相談・依頼することを決めました。
弁護士が関与して解決するまでの道のり
ご依頼者様は、これまで長く夫と別居をしていましたが、離婚の手続きまではしていませんでした。別居当初は婚姻費用(生活費)の支払いを夫から受けていましたが、年を追うにつれその金額も減り、ついには全くなくなってしまいました。
ご自身も、また夫も年金を受給する年齢となり、経済的な面はもちろんのこと、きちんと自分の現状を実態に合わせたい(離婚手続きをしたい)と考えたご依頼者様は、疎遠になってしまっている夫と間で、なるべく争うことなく穏便に離婚の手続きを済ませたいと思い、弁護士に依頼をされました。
弁護士は文書やお電話で相手方と連絡をとり、ご依頼者様のお気持ちや、年金分割についてのご説明等もさせていただきました。
当初、夫は離婚には応じてもよいが、年金分割については応じられないとの強い態度でした。
しかし、弁護士からは年金分割についての制度趣旨や法実務の状況等をお伝えし、粘り強く交渉をしました。その結果、弁護士との交渉の過程で、夫も将来的な見通しを持ち納得をしたうえで、公正証書を作成することができました。
なお、公正証書作成の際、弁護士はご依頼者様を代理して行いますので、ご自身が遠方の公証人役場等に出向く必要はありませんでした。
本ケースのポイント
確立した法実務の内容(今回でいえば、年金分割の按分割合等)であっても、ご当事者どうしでのお話では、感情的にも、また情報の信頼性の点からも、相手方は納得をしないことが多くあります。
法律の専門家である弁護士だからこそ、また当事者から少し離れた冷静な立場であるからこそ、相手方にも落ち着いて問題に向き合っていただき、かつ依頼者様のご希望に沿った解決が交渉手続きにより可能となることも多くあります。
また、ご高齢であったり持病をお持ちであるため、物理的にも移動が困難な依頼者様に代わり、弁護士が交渉や公正証書の作成等に出向くことが可能です。
ケースによっては、夫(相手方)が恐怖の対象でしかなく、声を聴いたり、文字を見ることすらできない場合もありますが、そのような場合でも、依頼者様に代わり、弁護士が相手方との交渉等の窓口に立ちますので、依頼者様には相手方からの連絡を直接受ける必要がなくなる等、精神的な安定を得られることも可能です。
弁護士は裁判手続き(調停を含む)においても代理人として活動ができます。離婚事案において交渉が長引くと、次には裁判手続きとして(訴訟に先立ち)調停手続きを申し立てる必要がありますが、いずれの場面でも代理人となることができる弁護士であるからこそ、交渉過程の推移を見極めながら、適時に調停等の手続きに移行していくことが可能です。
そして、様々なタイプの相手方とのお話し合い等について実績豊富な弁護士がご対応させていただきましたので、もはやご本人では直接やりとりをすることができない夫との間で「何より穏やかに離婚の手続きを済ませていきたい」というご依頼者様のご希望にかなった事案の進行が実現がかないました。