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家事を手伝っても、どうして妻は文句言う!?-「性別役割分担意識」について考える

webサイト・いたみん(伊丹市ポータルサイト)11月号

「男と女の「おかしな!?」ハナシ」にコメントを寄せさせていただきました。

今回のテーマは、「家事を手伝っても、どうして妻は文句言う!?」です。

https://itami-city.jp/mp/okashina_hanashi_hyogo/?sid=65547

 

【コメント部分】

3歳になったばかりの息子を見ていると、いわゆる「おままごと遊び」が大好き。家でも、保育所でも、何やらサンドイッチらしきものを作ったり、ハンバーグのお皿を作っては、「どうぞ」などと言って私に振舞ったり、お友だち(女の子、男の子とも)とやりとりをしています。それから、洗濯ものをたたんだり運んだりといったお手伝いにも積極的です。

そんな姿を見ると、せっかく芽生えた家事労働?に対する意欲を摘まないようにと思いますし、そもそも人間には、どちら(の性別)が家事に向いているということはなく、「主に家事は女性が担うもの」といった役割意識や価値観をつくり、型にはめてしまっているのは、この社会や大人たちなのかもしれないとも思います。

考えてみれば、男性だけでなく、女性も、実は誰もが、最初は、炊事、洗濯、お料理と、どれをとっても「素人」なはずです。それなのに、特に「結婚」をすると、その途端に、これまで実家で家事なんて一切してこなかった女性に対してであっても、「妻は家事ができて当然」という「期待(幻想?)」が、結婚したばかりの夫にも、周囲の人にも、そして他ならぬ女性自身にも生まれるのです。

特に日本では、「女性」が「家事」に費やす時間が、諸外国に比べて長いのが特徴と言われています。

ところで、この女性に対する家事労働への「期待」。まだ夫婦二人だけの頃にはなんとかそのプレッシャーに耐えられていた女性たちも、次に、子どもが生まれ「育児」が始まると、もはや耐え切れなくなり不満が爆発するということが多くみられます。ただでさえ育児に時間をとられるなかで、これまでと同様に妻に対する「家事」への期待が続き、実際にも夫と「家事」や「育児」の負担をシェアできずに悩んでいる女性は多くいらっしゃるのです。

離婚のご相談を受けたり、裁判手続き(調停や裁判など)に関わる中で、夫婦二人のときには問題がなかったのに、子どもが生まれた後から、夫婦の間の不協和音が高まったというご夫婦は多いと感じます。

また、離婚問題に直面している男性から妻への不満の内容として、「(妻が)食事を作らない」と訴える人は本当に多く見受けますが、反対に、女性から夫への不満として、「(夫が)食事を作らない」ことをあげる人はほとんどいません。このあたりも、世間一般に、いわゆる性別役割分担意識が深く根付いていることを感じるエピソードです。

家族、家庭というのは、本来、すべての構成員にとって「居心地の良い空間」であるばずです。そしてそれは、誰かの負担や犠牲の上に成り立つものではなく、家族みんなで時間やアイデアを出し合って(時には家事の「外注」という選択も含め)、ともに作っていくものだと思います。

そうは言いながら、我が家でも、家事や育児の分担問題は「火種」のひとつです。役割分担に関する意識や価値観自体について、私自身もパートナーも克服ができていると思っていたのですが、実際のところは、残念ながら<いまだ道遠し>なのかもしれません。

そこで冒頭の話にも戻りますが、少なくとも次の世代にはこの問題を残さぬよう、私たち周囲にいる大人は、子どもたちをその男女を問わず、小さな頃から、それこそ家事の「お手伝い」に参画させるなどして、将来の充実した家族・家庭生活の素地作りにつながるよう意識することが大切なのではないか。そう実感する毎日です。

〔N〕

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